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東京地方裁判所 平成7年(行ウ)20号 判決 1997年1月21日

東京都中央区築地七丁目四番八号

原告

小川とよ

東京都中央区築地七丁目四番八号

原告

小川多七

横浜市神奈川区神大寺四丁目八番三二号

原告

小林公子

千葉市花見川区浪花町九五一番地の二

原告

小川貴正

原告ら訴訟代理人弁護士

細谷義徳

仲谷栄一郎

上野攝津子

山下朝陽

高取芳宏

池田成史

東京都中央区新富二丁目六番一号

被告

京橋税務署長 飯田廣行

横浜市港北区大豆町五二八番地の五

被告

神奈川税務署長 佐伯龍夫

千葉市花見川区武石町一丁目五二〇番地

被告

千葉西税務署長 小林孝雄

被告ら指定代理人

竹村彰

渡辺進

太田泰暢

石黒邦夫

林裕之

主文

一  原告らの請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由

第一原告らの請求

一  被告京橋税務署長が原告小川とよの平成元年分所得税について平成五年三月一一日付けでした無申告加算税賦課決定を取り消す。

二  被告京橋税務署長が原告小川多七の平成元年分所得税について平成五年三月一一日付けでした過少申告加算税賦課決定を取り消す。

三  被告神奈川税務署長が原告小林公子の平成元年分所得税について平成四年一二月二五日付けでした過少申告加算税賦課決定を取り消す。

四  被告千葉西税務署長が原告小川貴正の平成元年分所得税について平成四年七月三一日付けでした過少申告加算税賦課決定を取り消す。

第二事案の概要等

一  事案の概要

本件は、原告らが、相続によって取得した借地権付き建物の各共有持分の譲渡に係る所得(以下「本件譲渡所得」という。)を、それぞれ平成二年分の所得として申告したところ、被告らから右各譲渡所得は平成元年分の所得であるとして、更正及び過少申告加算税賦課決定ないし決定及び無申告加算税賦課決定をそれぞれ受けたことから、右各譲渡所得を平成元年分の所得として申告しなかったことについて国税通則法(以下「法」という。)六五条四項、六六条一項に規定する「正当な理由」があるなどと主張して、右各加算税(以下「本件各加算税」という。)賦課決定の取消しを求めている事案である。

二  当事者間に争いのない事実等(証拠により認定した事実については適宜証拠を掲記する。)

1  東京都中央区月島一丁目六〇一番地及び七一一番地の土地(以下「本件土地」という。)所在の建物合計一七棟(以下「本件建物」という。)とその敷地の借地権(この借地権と本件建物とを併せて、以下「本件資産」という。)は、小川仲蔵(昭和四四年三月二八日死亡、以下「仲蔵」という。)の相続財産として、昭和六三年当時、原告らを含む二〇名の相続人によって未分割のままの状態で共有されていた。右相続人の身分関係及び法定相続分は、別紙記載のとおりであり、原告小川とよ(以下「原告とよ」という。)及び原告小川多七(以下「原告多七」という。)が各五分の一、原告小林公子(以下「原告公子」という。)及び原告小川貴正(以下「原告貴正」という。)が各二〇分の一の法定相続分をそれぞれ有していた。

2  相続人の一人である小川久美子は、昭和六三年七月一四日、訴外協進商事有限会社(以下「協進商事」という。)に対し、夫小川利一から相続した本件土地、同土地所在の自己所有建物一棟並びに本件資産に対する同女及びその七名の子(以下「久美子ら」という。)の共有持分合計五分の一を、合計二七億円で売却した。

3  原告多七は、昭和六三年八月ころ、株式会社エースプロジェクトを通じて協進商事から、本件資産の残り五分の四(以下「本件譲渡資産」という。)の譲渡の申込みを受け、小川泰央(以下「泰央」という。)が、久美子らを除く相続人一二名(このうち泰央を除く一一名の相続人を「本件相続人」という。)の代表として、その売買交渉に当たることとなった。

4  泰央は、本件相続人から本件資産に対する共有持分(以下「本件持分」という。)の処分を委任する旨の各委任状(乙一号証の二、二号証の二、三号証の二ないし七の各一、四ないし六号証の各二、以下「本件委任状」という。)を取得する一方、<1>原告多七との間で、同原告の本件持分五分の一を七億五〇〇〇万円で譲り受ける旨の共有持分譲渡契約書(乙一号証の一)を、<2>原告とよとの間で、同原告の本件持分五分の一を六億五〇〇〇万円で譲り受ける旨の共有持分譲渡契約書(乙二号証の一)を、<3>原告公子、原告貴正及び小川統央(以下「統央」という。)との間で、右三名の本件持分各二〇分の一をそれぞれ二億円で譲り受ける旨の共有持分譲渡契約書(乙四ないし六号証の各一)を、<4>高梨エツ、小川三郎、小川リツ、小川昌男、小川リエ及び柳町シンとの間で、右六名の本件持分合計五分の一を六億五〇〇〇万円で譲り受ける旨の共有持分譲渡契約書(乙三号証の一)をそれぞれ作成(右各契約書を以下「本件持分譲渡契約書」という。)した上、協進商事との売買交渉に臨んだ。

5  泰央は、平成元年六月三〇日、協進商事との間で本件譲渡資産の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結した。その主な契約内容は、<1>協進商事は、泰央に対し、同日までに一億円を支払う、<2>泰央は、協進商事に対し、右一億円と引換えに、国土利用計画法(以下「国土法」という。)二三条一項に規定する届出に必要な書類を交付する、<3>協進商事は、泰央に対し、同年七月七日までに九億円を支払う、<4>本件譲渡資産の譲渡代金(以下「本件譲渡代金」という。)は、国土法上の不勧告通知が同月一五日までにあった場合は四五億円とし、同通知が同月一六日から同月三一日までにあった場合は四五億五〇〇〇万円とする、<5>泰央は、協進商事に対し、右譲渡代金と引換えに、本件建物の取壊しについての承諾書を交付し、これをもって泰央の履行とするというものであった。

6  本件売買契約に基づき、譲渡人を泰央とし、譲受人を協進商事とする本件譲渡資産に係る「土地売買等届出書」が、平成元年七月三日付けで東京都中央区長に提出され、同月三一日付けで変更届がなされた後、同日付けで、右区長から本件譲渡資産の売買について国土法の規定に基づく勧告をしない旨の不勧告が通知された。

7  泰央は、平成元年七月三一日、協進商事から本件譲渡代金として最終的に合意した合計四五億八七〇〇万円の銀行振込を受けてこれを受領したことから、協進商事に対し、本件建物の取壊しを承諾する旨の泰央名義の「建物取り壊し承諾書」を交付した。

8  泰央は、平成元年四月二八日から同年八月三一日までに、本件相続人に対し、別表1の「平成元年における受領金額」欄記載のとおりの金額を支払い、原告らはこれを受領(以下「平成元年受領金」という。)した。

9  泰央は、本件譲渡所得を平成元年分の所得として申告していなかったところ、平成二年一一月二〇日、麻布税務署の係官から右譲渡所得に関する税務調査を受けた。

10  泰央は、平成三年二月、本件相続人に対し、別表1の「平成三年二月における受領金額」欄記載の金額を支払い、原告らはこれを受領(以下「平成三年受領金」という。)した。これにより、原告らが泰央から受領した金員の合計は、別表1の「合計金額」欄記載のとおり、原告多七が七億七五〇〇万円、原告とよが六億七五〇〇万円、原告公子及び原告貴正が各二億〇八〇〇万円となった(右各金員を以下「本件受領金」という。)。

11  原告らは、平成三年三月、本件受領金を平成二年分の譲渡所得に計上して申告した。泰央も、協進商事から受領した本件譲渡代金四五億七八〇〇万円から本件相続人に支払った本件受領金の合計二七億四九〇〇万円を控除した残額一八億三八〇〇万円を平成二年分の譲渡所得に計上して申告した。

12  被告千葉西税務署長は、原告貴正に対し、平成四年七月三一日付けで、同原告の平成元年分所得に本件譲渡所得一億九六六〇万円(本件受領金二億〇八〇〇万円から取得費一〇四〇万円及び特別控除額一〇〇万円を控除した金額)を含める旨の更正をし、かつ、過少申告加算税七〇五万一〇〇〇円の賦課決定をした。なお、同原告に対する課税の経過等は別表2記載のとおりである。

13  被告神奈川税務署長は、原告公子に対し、平成四年一二月二五日付けで、同原告の平成元年分所得に本件譲渡所得一億九六六〇万円(本件受領金二億〇八〇〇万円から取得費一〇四〇万円及び特別控除額一〇〇万円を控除した金額)を含める旨の更正をし、かつ、過少申告加算税七〇五万五〇〇〇円の賦課決定をした。なお、同原告に対する課税の経過等は別表3記載のとおりである。

14  被告京橋税務署長は、原告多七に対し、平成五年三月一一日付けで、同原告の平成元年分所得に本件譲渡所得六億九五二五万円(本件受領金七億七五〇〇万円から取得費三八七五万円、譲渡費用四〇〇〇万円及び特別控除額一〇〇万円を控除した金額)を含める旨の更正をし、かつ、過少申告加算税二五七〇万五〇〇〇円の賦課決定をした。なお、同原告に対する課税の経過等は別表4記載のとおりである。

15  被告京橋税務署長は、平成元年分所得について申告書の提出のなかった原告とよに対し、平成五年三月一一日付けで、本件譲渡所得六億四〇二五万円(本件受領金六億七五〇〇万円から取得費三三七五万円及び特別控除額一〇〇万円を控除した金額)を平成元年分所得とする旨の決定をし、かつ、無申告加算税二三六九万五五〇〇円の賦課決定をした。なお、同原告に対する課税の経過等は別表5記載のとおりである。

三  争点

本件の争点は、原告らが本件受領金を平成元年分の譲渡所得に計上して申告しなかったことについて、法六五条四項、六六条一項に規定する「正当な理由」があるかどうか、また、平成二年分の譲渡所得に計上して申告したことにより法六五条五項、六六条三項が適用ないし類推適用されるかどうか及び平成三年受領金については、右判断の前提として、その収入が平成元年に帰属するかどうかであるが、それらに対する当事者の主張の要旨は、以下のとおりである。

1  被告らの主張

(一) 本件譲渡所得の発生原因

原告らは、本件持分を平成元年中に泰央に譲渡し、泰央は、本件相続人から本件持分を買い受けた上、本件譲渡資産を協進商事に売却したのであり、本件売買契約の当事者は泰央と協進商事であるから、原告らの本件受領金は平成元年分の収入に属する。

仮に原告らが泰央に対して本件持分の処分を委任したものとしても、本件譲渡資産の引渡し及び代金支払は平成元年七月三一日にされているから、原告らの本件受領金は、平成元年分の収入に属する。

(二) 平成三年受領金について

譲渡所得は、資産の譲渡に基因して、単発的に発生するものであるから、その所得金額の計算は譲渡所得の基因となる資産の譲渡された年分において一元的に行う必要があるところ、買主が売主に対して翌年以降に清算金又は追加金を支払った場合には、売主は、右金員を当該資産を譲渡した年分の譲渡収入金額に加算して、法一九条一項に基づき、当該申告年分に係る修正申告をすることにより、当初の課税関係を清算しなければならないというべきである。そして、課税の公平を図るためには、売買契約時に清算金又は追加金の支払についての合意があったかどうかにかかわらず、その支払が資産の譲渡に基因する収入に該当する限り、同様に取り扱うべきである。

本件においては、前記二10のとおり、平成三年受領金が、泰央から本件相続人全員に対し、一定の基準(共有持分権の多寡)に従って支払われていることからしても、本件持分の譲渡に基因して支払われた追加金であることは明らかであり、また、同11のとおり、原告らは、平成三年受領金と平成元年受領金の合計額を平成二年分の譲渡所得に計上して申告し、他方、泰央は、平成三年受領金に相当する額を控除して申告をしていることからすると、原告ら及び泰央も、平成三年受領金が本件持分の譲渡に基因して支払われた金員であることを前提としていたことも明らかである。したがって、原告らには、平成三年受領金を平成元年分の譲渡所得に加算する内容の修正申告をすべき義務があったというべきである。

(三) 「正当な理由」の有無

法六五条四項、六六条一項に規定する「正当な理由」がある場合とは、当該過少申告ないし無申告が真にやむを得ない理由によるものであり、過少申告加算税ないし無申告加算税を賦課することが不当若しくは酷になる場合をいうものであって、単なる法の不知若しくは誤解に基づく場合を含まないと解すべきところ、原告らの過少申告ないし無申告は、以下のとおり、単なる法の不知若しくは誤解に基づくものであって、真にやむを得ない理由によるものではない。

(1) 原告らは、泰央との本件持分譲渡契約に基づく譲渡代金(平成元年受領金)を平成元年八月三一日までに受領していたのであるから、平成元年受領金を平成元年分所得税の申告期限までに申告することに何の障害もなかったし、その後、平成三年受領金を受領したことにより、平成元年分についての修正申告を行う義務が発生し、それが可能であった。

(2) 仮に原告らが泰央を代理人として本件売買契約を締結したものとしても、右(一)で主張したとおり、本件譲渡資産は平成元年七月三一日に泰央から買主である協進商事に引き渡され、泰央は本件譲渡代金全額を受領したのであるから、本件受領金を平成元年分の譲渡所得に計上して申告する義務があり、それが可能であった。

(3) 泰央の税務調査の担当係官は、平成二年一一月二〇日の調査の際、本件譲渡資産の譲渡に係る資料を泰央から提示を求めるなどして入手して検討した結果、本件譲渡資産の引渡しは、「建物取り壊し承諾書」の交付により平成元年七月三一日に行われていること及び本件譲渡代金の決済が同日までに終了していることを確認したことから、右調査当日に、泰央に対し、本件譲渡所得を平成元年分所得として修正申告をするよう伝え、その後も泰央に対して、再三修正申告をするよう促していたのであって、原告らが主張するような約束をしたというような事実はない。

(四) 法六五条五項、六六条三項の適用ないし類推適用について

法六五条五項は修正申告書の提出を、法六六条三項は期限後申告書の提出をそれぞれ前提とするところ、原告らからその提出はない。仮に、平成二年分所得税の確定申告書の提出をもって修正申告書ないし期限後申告書の提出があったとみることができるとしても、右に主張したとおり、泰央は調査担当係官から本件譲渡所得が平成元年分に帰属すると指摘されていたのであり、原告らもそれを知っていたと考えられるから、更正等があるべきことを予知していたものというべきである。

2  原告らの主張

(一) 本件譲渡所得の発生原因

原告らは、本件持分について、泰央に処分を委任し、泰央を代理人として協進商事へ譲渡したのである。すなわち、泰央及び本件相続人は、平成元年一月ころ、<1>小川信次の四名の子(泰央、原告公子、原告貴正及び統央)が本件譲渡代金のうち、概ね二分の一を取得し、その余を残り八名の相続人が法定相続分に従って取得すること、<2>泰央が本件相続人から委任を受けて本件譲渡資産の売却に当たること、<3>泰央は、右委任を受けるに際し、本件相続人に対し、本件譲渡資産の売却見込額のうち、それぞれの相続分を考慮に入れた金額を仮払いすること、<4>泰央は、本件資産以外の相続財産の分割の結果を加味し、本件譲渡代金を最終的に清算することなどを内容とする合意をし、泰央は、右合意に基づき、仮払金を支払い、本件委任状を取得した上、協進商事との交渉を行い、本件売買契約を締結したのである。その後、平成三年二月ころ、本件譲渡代金についての配分の協議が泰央及び本件相続人の間で成立し、右協議に従って原告らはそれぞれ平成三年受領金の支払を受けたのである。

なお、被告らは、原告らが本件持分を協進商事に対して譲渡したことを前提として更正ないし決定をしたのに、本訴において、泰央に対して譲渡したことを譲渡所得の発生原因として主張している。右主張の変更は、違法な理由の差替えであって、許されないというべきである。

(二) 平成三年受領金について

原告らが平成三年受領金の支払を受けたのは平成三年二月であるから、平成元年分の譲渡所得に計上して申告すべき義務はなく、したがって、平成三年受領金について過少申告加算税ないし無申告加算税の賦課をすることはできないはずである。

(三) 「正当な理由」の有無

原告らは、次の理由により、本件受領金が平成元年分の所得に帰属しないと判断したものであり、申告しなかったことはやむを得ないというべきであって、法六五条四項、六六条一項に規定する「正当な理由」があるというべきである。

(1) 原告らは、泰央を代理人として本件売買契約を締結したものの、相手方である協進商事が、暴力団と関係のある地上げ屋であり、後にどのような言いがかりをつけてくるかもしれず、また、協進商事と開発業者等との間の紛争などにより、右契約の効力が後日否定されるおそれがあった。そのため、原告らとしては、開発業者が、協進商事から本件資産を買い受け、協進商事に対し代金を支払い、その引渡しを受けない限り、本件売買契約による売却が確定するとは考えることができず、したがって、本件資産が協進商事から開発業者である南房総リゾート開発株式会社に転売され、その引渡しが完了した平成二年七月ころまでは、平成元年受領金が収入として確定したものと考えることは困難であった。

(2) 本件譲渡資産は未分割の相続財産であり、泰央及び本件相続人の間においてその譲渡代金について配分の合意が成立したのは、平成三年二月ころであったから、仮に本件売買契約が平成元年中にすでに確定していたとしても、平成元年分の申告期限である平成二年三月一五日の時点においては、譲渡代金の配分額が決まっておらず、所得として申告すべき金額が不明であって、平成元年受領金を平成元年分の所得として申告することは困難であったし、平成三年受領金については申告することは不可能であった。

(3) 泰央は、平成二年一一月に税務調査を受けた際、調査担当係官に対し、本件譲渡資産の譲渡に関する資料を提出して、本件譲渡所得を平成二年分の所得として申告する予定である旨を伝え、本件譲渡所得が平成二年分あるいは平成元年分のいずれに帰属するかについて、税務署の見解を示すよう求め、平成二年一二月中には回答する約束となっていたにもかかわらず、平成三年三月一五日に至っても何の回答もされなかったことから、泰央及び原告らは、調査担当係官が本件譲渡所得の帰属年を平成二年であると認めたものと判断して、それぞれ平成二年分の所得として確定申告したものである。被告らにおいて、本件譲渡所得が平成元年分の所得であると判断して、泰央に対する更正をしたのが平成四年二月で、原告らに対する更正ないし決定をしたのは同年七月以降であったことから分かるように、被告らでさえ、本件譲渡所得がいずれの年分の所得であるのかの判断の検討に長時間を必要としたことからしても、本件受領金が平成元年分の所得に帰属するかどうかの判断は微妙かつ困難なものであって、原告らがその判断を誤ったのもやむを得ないというべきである。

(四) 法六五条五項、六六条三項の適用ないし類推適用について

原告らは、本件受領金を平成二年分の譲渡所得に計上して確定申告しており、納税者自身が自発的な意思で不適法な申告を是正した場合には、過少申告加算税ないし一〇〇分の一五の割合による無申告加算税を課すのは酷であるとする法六五条五項、六六条三項の趣旨に照らせば、右確定申告書は、実質的には平成元年分所得税の修正申告書ないし期限後申告書と同視できるというべきである。そして、その提出は、平成元年分所得税について更正等があるべきことを予知してされたものでもなかった。すなわち、右(三)(3)で主張したとおり、泰央及び原告らは、平成二年分の確定申告書を提出するまでに、本件譲渡所得が平成元年分に帰属するとの指摘を受けておらず、更正等を受けたのは平成四年二月以降であるから、平成二年分の確定申告書を提出した時点で、平成元年分の所得について更正等があるべきことを予知していたものではない。そもそも、泰央は、税務調査を受けた時点で、本件譲渡所得を平成二年分の所得として申告する意思を明らかにしていたのであり、税務調査の結果脱漏が発覚したわけではない。そして、原告らに対して税務調査が行われたのは、平成二年分の確定申告書を提出した後であるから、更正等があるべきことを予知して修正申告ないし期限後申告をした場合とは異なり、原告らには過少申告加算税又は一〇〇分の一五の割合による無申告加算税の賦課を受けなければならないような有責性はないのである。

第三当裁判所の判断

一  本件譲渡所得の発生原因

1  本件譲渡資産の売却の経緯、本件売買契約の内容、本件譲渡代金の分配等の事実は、前記第二の二1ないし8、10に摘示したとおりであり、また、右事実に証拠(甲五号証、六号証、乙一ないし五号証の各一、七ないし九号証)及び弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実を認めることができる。

(一) 泰央は、本件相続人から売買交渉の委任状をもらうこととしたところ、本件相続人の中には金銭の支払を希望する者がいたことから、結局、本件相続人にそれぞれ一定の金員を支払うこととし、自らあるいは原告多七を通じ、平成元年六月ころまでに、本件相続人全員から、本件委任状及び本件持分譲渡契約書の作成、交付を受けた。

(二) 本件持分譲渡契約書は、本件相続人が、それぞれ本件持分を一定の代金(原告多七は七億五〇〇〇万円、原告とよは六億五〇〇〇万円、原告公子、原告貴正及び統央は各二億円、高梨エツ、小川リツ、小川三郎、小川昌男、小川リエ及び柳町シンは合計六億五〇〇〇万円、)で泰央に譲り渡し、泰央はこれを譲り受けたとの内容のものとなっており、その譲渡に関して生じた税金は各納税義務者がそれぞれ負担すること、この契約は仲蔵の他の遺産に関する分割等に一切影響を与えない旨の条項も記載されており、泰央が弁護士と相談の上、その文案を決めたものである。

なお、泰央が原告らとの間で本件持分譲渡契約書を作成したのは、泰央が原告らに交付する金銭について、原告らとの後日の紛争を予防する趣旨に出たものであり、また、本件持分譲渡契約書に記載された譲渡代金額は、当時の本件譲渡資産の予想代金額から原告らの持分にほぼ対応して算出したものであったが、右予想を超える金額での売買契約が成立した場合には原告らの持分に応じて追加払いによる清算が行われることが黙示的に合意されていた。

(三) 泰央は、原告多七に対して、平成元年四月二八日に一億円、同年八月三一日に六億五〇〇〇万円、原告とよに対して同年六月五日に六億五〇〇〇万円、高梨エツ、小川リツ及び小川三郎に対して同月二二日に各一億〇八三〇万円、小川リエに対して同月二三日に一億〇八三〇万円、柳町シンに対して同月二五日に一億〇八五〇万円、小川昌男に対して同月二八日に一億〇八三〇万円、原告公子、原告貴正及び統央に対して同年八月三一日に各二億円を、それぞれ支払っているが、右金額は、本件持分譲渡契約書に記載された譲渡代金額と一致している。

(四) 泰央は、本件譲渡代金として、協進商事から、平成元年六月三〇日に一億円、同年七月一一日に五〇〇万円、同月一二日に二〇〇万円、同月一四日に六億円、同月二一日に三億円、同月二五日に三〇〇〇万円、同月三一日に三五億五〇〇〇万円、合計四五億八七〇〇万円の支払を受けた。

(五) 泰央は、本件譲渡資産が思ったよりも高く売却できたこともあって、平成三年二月、原告多七及び原告とよに各二五〇〇万円、原告公子、原告貴正及び統央に各八〇〇万円、高梨エツ、小川リツ、小川三郎、小川昌男及び小川リエに各四二〇万円、柳町シンに四〇〇万円の合計九九〇〇万円を支払ったものの、原告多七以外の本件相続人に対して、本件譲渡代金がいくらであったかを知らせてはおらず、また、協進商事から代金全額を受領した後も、特に本件相続人との間で、譲渡代金の配分について協議したこともなかったが、そのことについて本件相続人から異議等が出たことはなかった。

2  右1で認定した事実、ことに、<1>本件相続人は、泰央との間で、本件相続人が泰央に対し、本件持分を一定の代金額で譲渡する旨の本件持分譲渡契約書を作成した上、泰央から平成元年八月三一日までに右代金の全額を受け取っていること、<2>右代金の合計二六億五〇〇〇万円のうち一四億円が本件売買契約の締結前に支払われていること、<3>原告多七以外の本件相続人は、協進商事にいくらで売却できたかを泰央から一切知らされておらず、本件相続人としても、本件譲渡資産が予想以上の価格で売却できた場合に追加金を受領することを期待し得たに止まり、本件持分譲渡契約書に記載された譲渡代金を泰央から受け取ることによって、本件持分を失うという認識であったとうかがわれること、<4>協進商事は、本件譲渡資産が泰央及び本件相続人の共有であることを知っていたにもかかわらず、専ら泰央のみを相手に売買交渉を行い、売買代金も泰央に対して支払っていること、<5>泰央は、譲渡人を泰央とする国土法に基づく届出を行っており、また、協進商事に対する「建物取り壊し承諾書」も泰央のみの名義で作成していることなどからすれば、泰央は、協進商事との本件売買契約を締結するに当たり、本件譲渡資産について、一旦自らが本件相続人から本件持分の譲渡を受けた上で、自己の本来の持分と併せて協進商事にこれを譲渡したものと認めるのが相当であって、原告らが本件持分を譲渡した相手方は、協進商事ではなく泰央であるというべきである。

3  原告らは、本件持分の処分を泰央に委任し、委任を受けた泰央が原告らの代理人として本件譲渡資産を協進商事に売却したものである旨主張し、これにそう泰央の陳述書及び別件訴訟における本人尋問調書(甲五号証、六号証)、本件相続人から泰央にあてた本件委任状(乙一号証の二、二号証の二、三号証の二ないし七の各一、四ないし六号証の各二)並びに委任契約に基づく代金の受領であることを記した仮領収証(乙一号証の三)及び領収証(乙二号証の三、三号証の二ないし七の各二)もある。

しかしながら、前述のとおり、泰央は、原告多七以外の本件相続人に対し、売買交渉の経過や最終的にまとまった本件譲渡代金の額も知らせたことがなく、協進商事による代金支払が完了した後も、本件相続人との間で、譲渡代金の配分について協議したことがないなど、本件相続人が泰央に売却の委任をしていたというには極めて不自然であるといわざるを得ないし、また、本件譲渡代金の最終的な分配額をみても泰央だけが委任報酬の程度を超えて突出していることなどに照らすと、本件持分譲渡契約書に記載された譲渡代金が追加清算の可能性を含むものであったとしても、右各証拠から直ちに、原告らの委任に基づいて泰央が本件売買契約を締結したということは困難である。

なお、原告らは、被告らが、本件持分の協進商事への譲渡を前提として更正ないし決定をしたのに、本訴において、泰央に対して譲渡したと主張することは、違法な処分理由の差替えであって許されない旨主張するが、右主張の変更は、「正当な理由」の有無を判断する事情としての譲渡所得の発生原因に関するものにすぎず、処分理由の差替えと理解すべきものではない。

二  本件受領金に係る譲渡所得の帰属年度と申告義務

1  譲渡所得とは、資産の譲渡による所得、すなわち、資産に関する権利の移転の対価である収入から算出される所得であり(所得税法三三条一項)、また、各種所得の帰属年度については、各種所得の「その年において収入すべき金額」を当該年度の所得に計上すべき収入とすることになる(同法三六条一項)。したがって、譲渡所得については、当該資産の対価が現実に交付された時ではなく、対価の給付請求権の確定することとなる時、すなわち、所有権その他の権利が相手方に移転する時を基準として所得の帰属年度を決定し、その給付請求権の金額をもって譲渡所得に係る収入と解すべきものといえる。

2  ところで、本件においては、前述のとおり、平成元年六月三〇日に本件売買契約が締結され、同年七月三一日には、泰央が協進商事から本件譲渡代金全額の支払を受けて「建物取り壊し承諾書」を交付していることからすれば、原告らと泰央との本件持分の各譲渡契約についても、遅くとも同日までには、本件持分が移転したものというべきである。そうすると、平成元年受領金が、平成元年において収入すべき金額であることは明らかであって、原告らはこれを平成元年分の譲渡所得に計上して申告する義務があったというべきである。

また、仮に泰央を代理人として協進商事に売却したとする原告らの主張を前提にしても、前述のとおり、平成元年六月三〇日に本件売買契約が締結され、同年七月三一日に泰央が協進商事から譲渡代金全額の支払を受けて「建物取り壊し承諾書」を交付していることからして、平成元年受領金が平成元年分の譲渡所得として計上すべき収入に該当することには変わりがないということになる。

3  また、平成三年受領金が支払われた経緯、その金額等は、前述のとおりであり、泰央から本件相続人全員に対し、共有持分権の多寡に従って支払われていること、本件相続人及び泰央においても、本件譲渡資産の譲渡に係る追加金という前提で、原告らは、平成三年受領金と平成元年受領金の合計額を平成二年分の譲渡所得に計上して申告し、他方、泰央は、平成三年受領金に相当する額を控除して申告をしていることなどからすると、平成三年受領金が本件持分の対価の支払であることは明らかであり、右支払額は本件持分譲渡契約において予定していたものである。そして、その金額は、泰央が「建物取り壊し承諾書」を交付して協進商事から本件譲渡資産の対価として四五億八七〇〇万円を受領した平成元年七月三一日に原告らの持分に従って算出可能であったというべく、原告らの泰央に対する追加代金請求権は平成元年に発生確定していたものというべきである。もっとも、本件持分譲渡契約書には明示的に追加金の記載はなく、原告らの取得すべき金額そのものは必ずしも明らかではない。しかし、平成三年受領金が本件持分の対価であることは明らかであり、本件持分譲渡契約における代金額の黙示的合意に照らせば、追加金請求権が泰央の提案によって発生すると解することはできず(泰央が追加金の支払に応じないときは、本件持分譲渡契約に基づいて支払を訴求できるというべきであり、)、原告らが、平成二年七月をもって協進商事との本件売買契約が確実なものと考えるに至ったと主張し、平成三年受領金を平成二年分の所得に計上して申告していることに照らしても、追加金請求権は協進商事への有効な売却によって確定的に発生していたものであって、平成三年に発生したと解することはできないのである(仮に追加金の額について泰央との間に争いがあったとしても、原告らとしては本件持分譲渡契約に際しての黙示的合意に従って発生したと考える金額をもって申告をし、紛争解決の結果に従って是正することができたというべきである。)。そして、原告らが平成三年受領金額を取得することについては泰央も認めているのであるから、少なくとも右金額の限度において追加金請求権が生じていたものというべきである。

なお、仮に原告らが泰央に対して本件持分の処分を委任したとする原告らの主張を前提とすれば、受任者である泰央が委任者への報告、清算を遅滞したとしても、原告らの本件持分の対価は平成元年七月三一日までに協進商事から支払われていたのであるから、平成三年受領金を含めて平成元年の譲渡所得に係る収入に含まれることは明らかである。

三  「正当な理由」の有無について

1  法六五条四項及び六六条一項に規定する「正当な理由」がある場合とは、過少に税額を申告したこと又は申告しなかったこと、すなわち本件についていえば、平成元年分所得として申告すべき本件譲渡所得を平成二年分の所得として申告したことが納税者の責めに帰することができない客観的な障害に起因する場合など、当該申告が真にやむを得ない理由によるものであり、納税者に過少申告加算税を課すことが不当若しくは酷になる場合を意味するものであって、その過少申告が納税者の税法の不知又は誤解であるとか、納税者の単なる主観的な事情に基づくような場合までを含むものでないと解するのが相当である。

2  前記のとおり、原告らは本件持分を平成元年に泰央に売却して譲渡所得を得たものであるが、平成元年受領金についてはもとより、追加金請求権も平成元年に発生しているのであって、この追加金請求権の発生の存否は泰央に対して本件譲渡資産の売却事実、代金を確認すれば明らかになることであるから、原告らが右追加金請求権を積極的に行使せず、追加金の支払事務を泰央に委ね、その支払が遅滞したとしても、このことをもって平成三年受領金を平成元年分の譲渡所得に係る収入でないと判断する正当な理由となるものと解することはできない。また、原告らは、平成三年受領金を平成元年分として申告することは不可能であった旨主張するが、平成元年分として期限内申告をすることが困難であったとしても、これを平成元年分とする修正申告又は期限後申告は可能であり、また、すべきであったところ(法一九条一項一号)、原告らはこれをしていないのであるから、右主張には理由がない。

3  なお、原告らは、本件持分を協進商事へ譲渡したことを前提にして、協進商事が暴力団と関係のある地上げ屋であり、後日契約の効力が否定されるおそれがあったことなどから、本件受領金が平成元年分の収入として確定していると判断できなかった旨主張する。しかしながら、前述のとおり、平成元年七月三一日に、本件譲渡代金全額の受領が完了し、本件譲渡資産の引渡しも終了している以上、原告ら主張のおそれがあったとしても本件受領金が平成元年分に帰属する収入であることについては疑義の生じる余地がないのであって、原告らが主張するようなおそれは納税者の主観的事情に止まるものであって当該収入の帰属年分を何ら左右するものではない。したがって、平成三年受領金を含めて本件受領金に係る収入に関して平成元年分の譲渡所得に計上して申告しなかったことに正当な理由はないというべきである。

また、原告らは、原告らと泰央との委任関係を前提として、平成元年分の申告期限当時には、泰央及び本件相続人の間で本件譲渡代金の配分の合意が成立していなかったから、平成元年受領金についても原告らの収入として確定しておらず、平成元年分の所得として申告することは困難であった旨主張する。しかしながら、本件事実関係の下において、平成元年分所得の申告期限までに平成元年分の受領金の返還が問題となる事情は認められない。また、委任事務に係る金銭の清算について、委任事務費用、委任報酬の額等について契約者間の協議、合意がされることが望ましいとしても、平成元年中に委任事務である本件譲渡資産の売却は終了しており、委任者である原告らは譲渡所得を取得していることになるから、当該金銭に関する配分の合意がされていないとしても、委任の趣旨に従った清算請求権は発生しているのであって、受任者たる泰央がその報告、清算義務を尽くさなかったとしても、これが委任契約上の義務違反を生ずることは格別、右事情をもって本件譲渡所得が平成元年分所得に属しないと判断する正当な理由ということはできないのである。

4  また、原告らは、泰央の税務調査を行った担当係官の対応などからすると、被告らでさえ本件受領金の帰属年分の判断が困難であった旨主張するが、前述のとおり、本件事実関係の下においては、原告らと泰央との契約を持分譲渡契約と解そうと、持分の売却の委任(代理)と解そうと、本件受領金が平成元年分の譲渡所得に係る収入に該当することは明らかであって、その判断に困難を伴うとは考えられず、原告らがそれと異なる判断をしたとしても、税法の誤解にすぎないのであって、これをもって正当な理由があるということはできない。

四  法六五条五項、六六条三項の適用ないし類推適用について

原告多七、原告公子及び原告貴正は、本件について法六五条五項の適用ないし類推適用を主張する。しかしながら、同項の適用により過少申告加算税が非課税とされるためには、修正申告書の提出が前提となるところ、本件においては、原告らが本件譲渡所得について平成元年分の所得として修正申告書を提出していないことは明らかであり、原告らが主張するように、平成二年分所得税の確定申告書の提出をもって平成元年分所得税の修正申告書の提出とみなすことができる法令上の根拠はないから、修正申告書の提出がされていない以上、その余の要件について検討するまでもなく、同項を適用する余地はないというべきである。また、原告とよは、本件について法六六条三項の適用ないし類推適用を主張するが、同項が適用されるためには期限後申告書の提出が要件とされており、その提出がない以上、右と同様の理由により、同項を適用する余地はないというべきである。

五  以上を前提として、本件各加算税の額を計算する。

原告とよに対する決定の内容並びに原告多七、原告公子及び原告貴正の各確定申告、これに対する各更正の内容は、別表2ないし5の各該当欄記載のとおりであり、平成元年及び平成三年の各受領金を平成元年の譲渡所得に計上すべきことは前述のとおりである。そうすると、原告らに対する各加算税の額は、別表2ないし5の各該当欄記載の金額によって計算すべきことになり、法一一八条三項、六五条一項、二項をそれぞれ適用して計算した原告貴正、原告公子及び原告多七に対する各過少申告加算税の額は、それぞれ別表2ないし4の番号<14>欄各記載の七〇五万一〇〇〇円(原告貴正分)、七〇五万五〇〇〇円(原告公子分)、二五七〇万五〇〇〇円(原告多七分)となるから、同原告らに対する過少申告加算税の賦課決定は適法であり、また、法一一八条三項、六六条一項を適用して計算した原告とよに対する無申告加算税の額は、別表5の番号<14>記載の二三六九万五五〇〇円となるから、同原告に対する無申告加算税の決定は適法である。

六  以上のとおりであるから、原告らの請求はいずれも理由がないので棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九三条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 富越和厚 裁判官 竹野下喜彦 裁判官 岡田幸人)

別紙

<省略>

別表1

<省略>

別表2

課税の経緯(小川貴正)

<省略>

別表3

課税の経緯(小林公子)

<省略>

別表4

課税の経緯(小川多七)

<省略>

別表5

課税の経緯(小川とよ)

<省略>

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